「日本が好きだったけれど、日本の古い働き方の会社ばかりだったら長く住まなかったかもしれない」
ロシア・カムチャツカ半島で電気エンジニアとして働いていた魔王さん。 アニメやゲーム、剣道を通じて日本に興味を持ち、来日、転職を経て、最終的に「日本国籍を取得する(帰化する)」という大きな決断を下しました。
今回は、広報のあちきばいけと魔王さんの対談を、冒頭の生い立ちから最後のやり取りまで、会話の中身をほぼすべてそのままでお届けします!
カムチャツカから日本へ。アニメ・ゲーム・剣道がきっかけ

広報あちきばいけふう。ちょっとインターネットが今、キルギスで不安定なんですけど、動画なしでやりましょうか。聞こえてます?



はい、聞こえてます。よろしくお願いします。



よろしくお願いします。僕も国際結婚してますから、帰化っていうところには興味がありましたし、最近周りで帰化した人もいなかったので、すごく興味深いです。
社外に発信する上でも、他の会社で働く外国籍の方が、今回の話を見て興味を持ってくれたらいいなと思いまして、お時間をいただきました。
まず、生まれや日本に来た経緯、Daiで働くことになったきっかけを教えてもらえますか?



はい。出身はロシアのカムチャツカ半島です。1990年11月生まれで、ずっとカムチャツカに住んで大学を卒業して、5年間くらい電気エンジニアとして働いていました。
日本に興味を持ったのは、大学の時に初めてアニメを見たことと、PS(プレイステーション)の『ブシドーブレード』というゲームでサムライ文化に興味を持ったのがきっかけです。そこから剣道に興味が湧いて、2012年に剣道部を見つけてトレーニングを始めました。その頃から「日本語も勉強しようかな」と思って、ネットで本を買って独学でひらがな・カタカナ・漢字の練習を始めたんです。
その後、大学院で勉強していた2014年の8月(お盆の時期)に、友達に誘われて初めて日本に遊びに来ました。京都に行ったり、地獄谷野猿公苑で温泉に入るお猿さんを見たりしてすごく楽しかったのですが、その時はまだ、日本に住むということは夢の様な話だと思っていて、実現するとは思っていませんでした。



なるほど、その時はまだ夢の様な話だと思っていて、実現するイメージは持てなかったんですね。



別の国に移住するのは難しいですし、カムチャツカはすごく田舎なので「自分には無理じゃないかな」と思っていました。カムチャツカから移住する人は大体モスクワやサンクトペテルブルクに行きますからね。
でも、1年後にまた東京へ遊びに行って、帰国後に「自分の英語レベルがダサい、他の国に行くには足りない」と思って、図書館で英語を話すクラブを友達と作ったんです。
そこに以前日本に住んでいた方が来て、「日本語を教えるよ」と言ってくれて。1年間練習したら「今のレベルなら行ける」と言われたんです。その言葉が私の大きな後押しとなって、留学・移住という決断をする大きなきっかけになりました。そして、日本語学校に申し込んで、溜めていた貯金を使って2018年10月に移住(留学)しました。



最初は学生で留学ビザでの長期滞在だったんですね。



はい。最初は日本語に自信がなかったので、ホテルのフロントスタッフとして働きました。楽しかったんですが、いきなりコロナ時代になってホテル業界が厳しくなって。「元々エンジニアだから、システムエンジニアの仕事が自分に合ってるんじゃないか」と思って派遣会社から内定をもらい、2020年に転職してシステムエンジニアとして約4年働きました。
その間に友人たちとハイキングに行ったりして仲良くなって、3年くらい前からプログラミングに興味を持ち始めたんです。
そしたらDaiで働いてたソフトガイから紹介されて、2年前にPythonエンジニアとしてDaiに入社しました。
帰化を意識したきっかけと、文化への適応



どのタイミングで「帰化しよう」と考え始めたんですか?最初からそう考えていたわけでは無いですよね?おそらく



そうですね。最初は日本語学校に1年通って、2〜3年働いたら帰ろうと思っていました。
でも日本に住んでみたら、ロシアより周りが便利で住みやすくて。両親や親戚もロシアいますけど、私には日本の文化や「周りの人に迷惑をかけないようにする」という考え方が合っていたんです。



日本のルールや食事が合わなくて帰国する人も多いですが、魔王さんは日本の文化や空気感が自分に合っていたんですね。電車内で静かにするとか、気を使う空気感とか。



はい。日本語を教えてくれた方が帰国した理由の1つも「文化が合わなかったから」でした。でも私は日本の文化が合っているしリスペクトしているので。あと、日本人は外国人に対してあんまり厳しくないですしね。



日本語が理解できるようになって、アニメはもっと好きになりました?より理解が深まって好きになるかと思いましたけど



最初は字幕で見ていたんですが、今は日本語でしか見ないです。日本に移住してからは見る機会が減りましたけど、ロシアにいた時は『銀魂』をよく見ていました。
『銀魂』は言葉遊びや冗談が多いので、意味が分かるとすごく面白いんですよね。
周りの影響と、帰化の手続き・要件



「2〜3年で帰るつもりだったけど、日本が自分に合っていたから長くなった」ということなんですね。



そうですね。帰りたくない感じになりましたし、コロナや戦争も始まって帰るチャンスもあまりなかったんです。
そんな中、日本で作った友達(ロシア人の友人たち)が帰化するプロセスを始めて、日本人になりました。「じゃあ私も帰化していいんじゃないかな」と思ったのがきっかけです。



お友達が帰化したことが、帰化を意識するきっかけになったんんですね。



はい。日本の生活が好きで帰化した人もいますし、今のロシアのパスポートと比べて日本のパスポートの方が良いから帰化した人もいます。
色々な考え方がありますね。私も日本の生活や文化が大好きでずっと住みたいので、ビザの更新より便利だし帰化しようと思いました。



日本人として嬉しい理由です!帰化の条件ってどんな感じでしたか?



私が申請した時は「日本に5年以上住んでいること」「3年以上働いて税金をちゃんと払っていること」など、条件は3つくらいでした。
今は10年住んでいないと断られるケースが多くて厳しくなっているみたいですが、私は前のルールで申請できたのでクリアできました。



実際の申請から許可まではどうでした?



最初は電話で相談の予約をして2ヶ月待ち、申し込みまで半年待ちました。ロシアからの書類を集めて申請して、5ヶ月くらいで面談の連絡が来ました。
普通は半年〜1年待つらしいですが、私は面談後1〜2ヶ月で許可が来ました。ロシア国籍離脱で8ヶ月くらいかかり、帰化全体としては、最初に相談の電話をしてから完了まで約2年 でした。
帰化して変わったこと





帰化して何か変わりましたか?



外国人だということのストレスがなくなりました。
以前は「会社に何かあったら仕事が見つかるかな」とか不安がありましたが、国のサポートも含めて安心感があります。
ビザの費用も上がって厳しくなっていますが、今はそういう心配もなく自由な感じです。在留カードを持ち歩かなくていいのも大きいですね。



「在留カード見せて」と言われて「日本人です」って答えて驚かれる、みたいなこともありそうですね。



数週間前、帰化した友達と車で温泉に行った帰り、警察に止められて「在留カード見せて」と言われたんです。友達が「日本人です」と言ったら警察官がすごく驚いていました。



僕もキルギスに行くと現地人だと思われるんです。魔王さんはアニメを見ていたから日本の風景は受け入れやすかったのではありませんか?



そうですね!『銀魂』とかを見ていたので。同僚と散歩している時も「アニメみたいな景色だ!」って思うことがあります。
帰化を悩んでいる人へメッセージ



これから帰化しようか悩んでいる人がいたら、魔王さんなら何を伝えますか?



私と同じように「日本が好きでずっと住みたい」と思っている方は、ぜひそうしてください。「自分たちが好きになった日本を、一緒に守っていきましょう」と伝えたいです。



素晴らしいですね。日本の文化や国が好きではなくて帰化したい人にはどうでしょうか?



日本をリスペクトしてほしいので、私たちが大好きな日本を傷つけないようにお願いしたいです。
家族の反応と、キルギスでの体験談



ロシアには両親が生きてる間に名前や苗字を変更しないという強い考え方(パトリオット)もあるので、帰化しない人もいます。私の両親も最初は正直嬉しくなさそうでしたが、お姉ちゃんが「自分の夢だから絶対にやりなさい!」とサポートしてくれました。
両親は移住して半年の時に日本に遊びに来て、安全な国だと分かって安心していましたね。電車で子供たちが静かにルールに従っているのを見て一番驚いていました。現在のロシアでは子供だけで移動させるのは無理なので。



キルギスのお母さんが日本に来た時もいろんなリアクションがありましたよ。僕が運転して九州から東京まで回ったんですが、「どうして日本の車は全部綺麗なの?」とか「トラックなのに綺麗なのありえない」とか言ってました。
Daiの働き方が「日本で暮らす決意」を後押ししてくれた



今回、帰化とDaiはどう関係していました?



日本の仕事文化って、外国人から見るとすごく厳しいんです。実は私も前の会社は厳しくて、上司からのプレッシャーもすごかったし、昔ながらの厳しめな会社で、人にあまりやさしくない働き方で……「こういう日本の働き方は私には合わないな」と思っていたんです。



前の会社のような環境ばかりだったら、日本で長く働こうとは思わなかったですかね?



そうですね。ずっとあのスタイルで働くのは無理だったと思います。でも、Daiに入社したら「世の中にはこんな会社もあるんだ!」って分かって。
Daiの柔軟な働き方なら、ちゃんと仕事もできるし幸せに暮らせると思えました。帰化を迷っていた時も、社内のみんなが「イエーイ!やってみて!」って応援してくれましたし。



Daiの働き方が帰化を後押ししたんですね。



古い体質を押し付けられてストレスで帰国してしまう外国人も多い中で、Daiみたいな会社が増えれば、日本に住みたい人も増えると思います。
入社して最初のGM(ジェネラルミーティング)で奈良に行ったり、地方の問題を解決しようとしている姿を見た時に、日本の生活や社会に深く関わっている感覚(ゴー・イン・ディープ)になれました。自分も日本の未来や課題について考えなきゃいけないんだな、と思えたんです。



完全に日本人ですね!



ロシアに住んでいた時は自分の国についてあまり考えなかったですが、今は日本のことを考えようと思います。



帰ったらちょっと変な人(※良い意味でユニークな人)になっちゃうんじゃないですか?



絶対そうです。昔から「ちょっと変」ってよく言われていましたし。



いいじゃないですか!Daiは僕みたいな普通な人より、変でユニークな人の方が合ってますから!今日は長い時間、本当にありがとうございました!



それはどうか(あちきばいけが普通かどうか)分からないけどありがとうございました!
まとめ:自分らしく働ける環境が、人生の選択肢を広げる
生い立ちからアニメとの出会い、帰化の手続き、家族の思い、そして職場環境の悩みまで。
魔王さんが「日本国籍を取得してずっと生きていく」と決意できた背景には、日本の文化への愛だけでなく、「古い日本の労働慣行に悩んだ過去」と「株式会社Daiの柔軟な働き方(コーラルワーク)との出会い」がありました。
理不尽なプレッシャーなく、自律して自分らしく働ける環境があるからこそ、日本で長く生きていく覚悟が持てる。
「日本で自分らしく長く働き続けたい」「自律した柔軟な環境で成果を出したい」と感じている方は、ぜひ一度、株式会社Daiの働き方をチェックしてみてください!
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